2001年8月14日 長野県下高井郡 山瀬川緑地公園 テント設営場所の写真です
今日で今回のツーリングも4日目になり、今夜が最後のキャンプだ。
いつもの様にコンビ二で夕食の買出しをして、ついでに水を貰うことにする。
レジのお姉さんに野宿できそうな場所を尋ねるがどうも要領を得ない。
「そうだよな、普通の人はあまり野宿なんてしないもんな」、と思いつつさらに話していると、この先の河川敷に緑地のあることが判った。
実はこういう情報がほしかったのである。
丁重に礼をいって早速行ってみると、結構広くて地面のコンディションも良い。
私の野宿の評価基準ではかなり上位にランクされる。
堤防道路から丸見えにならないように且つ風も避けれるように植え込みの陰に場所を選んだ。
テント張り作業を始めたちょうどその頃、南の空に稲妻が走り雷雲が空を覆い始めた。
なんとか雷の進路から外れるようにと祈りながら急いで設営を行い、かろうじて明るい内に食事を済ませることが出来た。 後は寝るだけである。
今回は幸い天候に恵まれ、まだ雨にはたたられていないので気分良く寝袋にもぐり込む。
「コーン」...「コーン」
「ココーン」
「ん?」 「なんだぁ?」
何かの物音で目が覚めた。
時計を見るとまだ午前3時まえだ。
なんとか雷雨の直撃はまぬがれたが、どうやら空一面厚い雲に覆われているらしい。
テントの薄い布越しにも明かりらしきものは全く入ってこない。
真っ暗なので、目を閉じたまま寝ぼけた頭で音の正体を探ろうとするが何も思い当たらない。
「コーン」...「ココーン」
しばらく音を聞いていたが、結局何も思い当たらないのでそのままウトウトとまた眠ってしまった。
......
朝、いつもより少し遅めの5時すこし前に起床。 外はもうかなり明るくなっている。
早起きの散歩人に怪しまれないよう急いでテントを撤収。
気が付くとテントを張った植え込みの向こう側はゲートボール場になっているではありませんか。
「ひょっとしてあの音はゲートボールのパッティングの音?」
「まさかぁー。あの暗闇でボールなんか見えるはずがない。」
「それにどう考えてもゲートボールをするような時間じゃないしね。」
不審に思いながらも荷物をまとめ、最終日のルートに向けて河川敷を後にした。
最後の行程も何事も無く走り終え、無事我が家に到着。 早速次の日はがんばってくれた相棒のバイクとツーリング道具を手入れしてやることにした。
まずはテントから洗おうと庭にもの干し竿を準備。最初に外側に水をかけてゴシゴシやり、次に入り口のファスナーを開けて中に水を注ぎ込んだ次の瞬間、流れ出る水と共にテントの中からおよそ30~40センチ位の長い髪の毛が数本...
...にゅる にゅる にゅる...
「ゲーッ、気持ち悪るゥー」
気味が悪いのと一瞬焦ったため、すぐに流してしまって本数はさだかで有りません。
しかし、明らかに私とは別人の毛髪です。 長さから見てどうやら女性の髪の毛のような...。
私のテントは本人以外家族と言えども誰も入ったことはなく、触ったことすらありません。
また前回のツーリングを終えてからのテントのメンテナンス状況をいろいろと検証しても、自分以外の髪毛が入り込む可能性は全く見当たりません。今回も帰ってきたそのままの状態で、水を注ぎこむ直前までファスナーは閉じられていたのです。
昨日の朝のあの不思議な音と何か関係があるのでしょうか?
いままであまり霊の存在などは信じていなかった私ですが、髪の毛という「物証」を目のあたりにして急にその存在が現実味を帯びてきました。
口の悪い友人は、「成仏しきれなかったゲートボール好きの婆さんが、夜中にテントに忍び込んできたんじゃないのか」と言っています。
不思議な現象は、音から物体へと進化してきており、この次はどんな事件が起きるのか、正直不安です。