32 橋の建設(材料調達)

橋の基礎工事を冬の間にやろうと思っていたのですが、2月に大雪が降って車で林道に入ることが出来なくなってしまいました。 歩いてはなんとか行けるのですが、車が入れないので資材の運搬ができず、結局雪が解ける春先まで待つしかありません。

ガードレールの下端まで雪が積もっています。
四駆の軽トラですが全く進めないので歩いてここまで来ましたが、基地までまだ300メートル程あります。
一週間後には更に雪が深くなり、もうここへ歩いてくることさえ困難になりました。
2014年2月22日

いったんここらで橋の上部構造を150x150のH鋼で造ろうと決めた理由をお話ししておきましょう。
秘密基地へ通う道中に何箇所か橋を渡るのですが、一箇所だけ橋の上流で谷川へ歩いて降りられる場所があります。夏の暑い日に涼を求めて降りて行ったところ、川原に鉄骨が落ちているのを発見しました。



川下の橋から撮影(望遠)しています。
中央の右へカーブした先に鉄骨が落ちていました。
川原へは右側の杉林をぬけて下りていきます。

近くの大きな岩には打ち込まれたアンカーボルトの太い残骸がまだ残っており、どうやら以前ここには橋が架かっていたようです。
いつも通る橋はここから200メートルほど下流にありますので、たぶん何らかの理由でそこへ橋を架け替えたのだと思われますが、廃材を回収するのが面倒なのでそのままここへ放置したのでしょう。



谷川へ降りていくとこの様にたくさんの鉄骨が落ちていました。

手前に2m、奥に4mのH鋼が見えます。
2013年9月21日

見た目かなり腐食が進んでいるように見えますが、錆を落とせばまだまだ使えそうなものもあり、年金生活者のオヤジにとってはこれを見逃すことは出来ません。 川幅に比べて落ちている鋼材の量がかなり少ないので、誰かがすでに拾っていった残りだと思いますが、まだ若干のH鋼とアングルが拾われずに残っています。長さ4メートルと2メートルのH鋼が数本とまちまちの長さのアングルが川原に転がっていました。

鋼材の落ちている谷底から車の置ける林道までは高さにして約10メートル、距離にして約100メートル程ですが、オヤジが一人で運ぶとなると4メートルのH鋼は重すぎて手に負えません。おもいっきり力を入れてもビクリともしません。 しかたがないので、なんとか運べそうな2メートルのH鋼とアングルを拾うことにしました。

水辺付近の傾斜はかなり急です。人が下りる箇所は石や木の根などで出来た自然の階段で、約3メートル程の段差があり、ここが一番の難所です。ここさえ持ち上げられればあとは比較的傾斜の緩やかな林間の小径を通って車を停めた道路へ出ることが出来ます。 H鋼には数種のブラケット類が溶接されており、後で重量をはかってみたところ2メートルの長さで約80kgありました。



ここに写っている4メートルのH鋼は重すぎて、動かそうとしてもピクリともしません。

2メートルのH鋼は何とか動くのですが、背後の坂を引き上げなくてはなりません。

これらをどうやって運んだかと言えば...、
H鋼の重心より少し前の位置にロープをくぐらせ、くぐらせたロープの両端をしっかりと握っておもいっきり力を入れて引上げます。
するとわずかですがH鋼の前部が持ち上がりますので、この状態で体重を前に傾けてH鋼を前進させます。
そうしたらいったんH鋼を下ろして足の位置を変え、同じ動作を繰り返します。つまり尺取虫のように前進するわけです。

林間の比較的傾斜の緩い所でしたら一回の動作で10センチから15センチ程移動させられますが、水辺の段差では前進というより登坂に近い状態ですので一回にほんの数センチしか動かせません。 何とか苦労して登っても、途中で重力に負けてずり落ちてきてしまいます。さんざんもがいたあげく、結局ここを登るのはあきらめて、少々距離は伸びてもなんとか通過できそうな場所へ回り道をすることにしました。

作業をしたのは秋の終わりごろでしたが、もう汗びっしょりです。3日ほどかけて合計6本のH鋼と大小のアングル7本を谷底から運び上げることができましたが、あまりの重労働に写真を撮る余裕さえ有りませんでした。

鉄骨拾ったドー\(^o^)/
オヤジの執念勝ちです!

これらは一旦自宅に運び、次に錆落しと切断・穴あけ加工等の作業にかかります。