31 基地入り口に橋を建設

長いあいだ気にはなっていたのですが、忙しくて先送りにしてきた件をここらで片付けることにします。どうやら林道から秘密基地へはいる作業道の入り口部分が少々隣の山林に入り込んでいるらしいのです。

この土地を買うときに最初に不動産屋から見せられた地図は森林組合が作成した地図で、それに拠ると林道は基地予定地の端を横切っており、そこへ接続させた自前の作業道は完全に自分の土地の内部を通っているはずなのですが、地籍図(公図)を見ると微妙に森林組合の地図と違っています。 地籍図では2本の沢と細い山道が境界の目印になっていますが、林道工事をするときに斜面を削ったり沢を埋め立てたりしたため、目印のランドマークが無くなってしまっており、そのため林道に接する部分の境界が曖昧となって、ひょっとすると作業道の一部が隣の山林に侵入している可能性があります。

じつは秘密基地の工事を始めた当初、隣接する山林の地主がさりげなく様子を視にやってきたことがあります。どうやら境界線(先方の主張する)をこちらが越境していないかチェックするのが目的だったようです。そのときは面倒な話になるのを避けて適当に相槌を打っていましたが、いつまでも疑念を持ったまま作業をするのも気持ちが悪いし精神衛生上も良くないので、正確な境界は判らないにしても確実に問題ないと思われる箇所に新たな入り口を設けることにしました。

もともと山林などは自然の地形を目印にした漠然とした境界しかなく、地籍図自体もその但し書きの中で「私法上の権利関係において公定力はない」といっているぐらいですから、明確な線引きをしようとすれば面倒な交渉と高い測量費を払わなくてはなりません。生活の場でもないのに無駄な経費と時間をかけるのは馬鹿げているので無理に白黒つけずこのまま曖昧にしておくことにします。


林道が出来る以前は、沢に沿って下から上へ細い道が通っていたようです。
地籍図ではこの道と二本の合流する沢が目印となって境界線が描かれています。



沢を横切って送電線の鉄塔工事用の林道が造られた時に、上流の二本の沢の水を道路下の土管に導くために、合流用の溝が掘られました。
この溝が在るために林道から直接基地に入ることが出来ません。



いまの作業道はこの溝の右側を迂回して秘密基地へ入っていきますが、この部分で隣の土地を通っている可能性があります。
そこで合流点の真上に橋を架けることにしました。




橋の設計

と言うことで、さっそく橋の設計に取り掛かりました。設計といっても面倒なので詳細な強度計算はしません。大雑把に計算してみたところ、150x150のH鋼で橋を架けた場合(この材料を使う理由は後で説明します)、 スパン2メートルの両端支持として安全率4で中央部の集中荷重が約1.5トンまでOKという結果を得ました。これでしたらコマツ君(パワーショベル)は無理でも運搬車の通行にはなんら問題はないでしょう。したがって細かい寸法は適当に決めていくことにします。

下部構造(基礎部分)は石畳用に集めておいた大き目の石を使って築きます。
橋脚②は出来るだけ鋼材を水面(湿気)から離すため1メートル程の高さにする予定です。



現在の溝の状態です。
土砂が崩れて溝がかなり埋まっています。

右側に見える排水用の土管の入り口も半分ほど土砂で塞がれています。



橋の構想図です。
長さ約5m、高さ約2.5mで、両端を整地して林道に接続します。
上部構造体は150x150のH鋼で造り、コンクリートの橋脚4箇所で支えます



橋脚工事

つづく