23 2年ぶり道路工事再開

12月の初めに身内の結婚式があり、その準備やらでしばらく山仕事もお休みをしていたのですが、そのイベントも無事に終ってまたいつもの時間が戻ってきました。

冬は氷点下に冷え込むため物置小屋床のコンクリート打ちは出来ません。そこで今のうちに道路工事を進めておくことにします。この時期は木々の葉も落ちて地形も見易く、掘削のルートも決めやすいので、寒いことを除けば工事にはうってつけです。

久しぶりに現地に行ってみると苦労して積み上げた土嚢の一部がイノシシ君によって崩されていました。

すぐに改修しましたが、この先道路が長くなればなるほど被害の確率は高くなりそうです。
2010年12月18日


地点⑧(「いろいろ写真集ー山小屋への道路工事」)からの工事再開となりますが、ここから先は掘削した下側斜面の土留めに丸太を使用するため、その材料準備もしなくてはいけません。 ところが二日目の作業開始早々、不覚にも手を怪我してしまい、結局年明けの3連休まで再び作業をお休みするはめになってしまいました。

年末に作業を始めた頃は雪もまったく無く、冷え込みもそんなにキツクなかったのですが、年が明けて成人の日の連休初日は氷点下7度まで冷え込み、年末に降った雪の下で地面はカチカチに凍結していました。
これにはさすがの運搬車もキャタピラが滑って思うように坂を登ることが出来ません。いつもの半分以下に積載量を減らしたのですが、途中で少しでもキャタピラが空転すると、凍結した地面がスケートリンクのようにツルツルになり全く前に進めなくなってしまいます。


物置小屋予定地を少し過ぎたところの急坂です。

登坂しながらカーブしていきますので、左右のクローラーに回転差を与えて方向を変えていくのですが、タイミングを誤るとスリップしてしまいます。
2011年1月15日

もうこうなったら一旦坂を下るしか手が有りません。
エンジンを止めれば制御不能になって滑り落ちるか、その場でスタックしてしまいますので、キャタピラを空転させたまま慎重にスロットルを絞り、少しずつ滑り降ろします。

グリップ力が回復した所でいったん車両を止め、少し荷物を減らしてツルツルのアイスバーンになった個所を避けて再度登坂を試みます。このようにして、なんとかだましだまし資材置き場の前まで土留め用の丸太を運び上げました。しかしながら、これより先の第3コーナーまではもっと坂が急で、全くの空車でないと登ることが出来ません。 仕方がないので空荷の状態で運搬車を先に登坂させ、丸太はロープを使って一本一本人力で第3コーナーまで引き上げました。



なんとか作業地点の手前まで丸太と杭を運びました。

ほぼ人力です!!

運搬車のすぐ前に置いてあるのが土留め用の丸太です。その向こう(コマツ君の手前)は丸太を固定するための杭です。 これらの準備と運び上げが連休3日間の成果でした...おつかれさん!

連休を過ぎた次の週にまた雪が降り、深いところで50㎝程になっていました。歩いて坂を登るのさえ難しい状態です。この状態が続くと前回運び上げた丸太を使い切ったあと、新たな丸太を用意することが出来なくなってしまいます。
「ウーン...参った!」



出来上がった道の部分に置かれた土留め用の丸太です。

積み上げた丸太同士が凍り付いて一塊になっているので、使う時はハンマーで叩いて剥がしてやります。
2011年2月11日

とにかく山は寒かったです。
手袋は金属に触れるとピタリと張付くので、道具を持ち替える度にビリビリと剥がさなければなりません。 コマツ君も大変です。バケットや排土板には凍結した土がこびり付いて、次第に雪だるま状態になっていきます。こまめに取り除いてやらないとどんどんすくい上げる土の量が減ってきてしまいます。

また、杭をまっすぐ打ち込むための下穴掘りも地面が凍結しているのでドリルがなかなか食い込んでいきません。先のとがったバールで表面の凍土を割ってから穴あけします。

熱いコーヒーを飲みたいとカセットコンロに火を付けても気温が低すぎて十分にプロパンが気化してくれません。最後は炎が種火のように小さくなってしまいます。 しかたがないので、後日カセットコンロを寒冷地用(?)に改造しました(写真集に紹介をしております)。 また、吐く息に含まれる水蒸気が鼻の下で凝縮し、それが凍ってつららが垂れてきますので、定期的につららを取らなければなりません。

もちろん楽しいことも有ります。


山林への入り口のところです。
2011年2月12日

・木の上から作業の様子を観ているのでしょう。土を掘っていると中にいる虫を目当てに小鳥たちがやってきます。
・日常からの解放感が味わえます。♪
・清冽な空気と静寂の中に時折聞こえる木々のきしみ音。♪
・白い雪に自分だけの足跡を残す快感。♪
・滑り易い雪中での小冒険。♪
・厳しい環境で仕事をやり終えた達成感。♪等々。

とにかく真冬の作業にはいろいろと苦労させられる事が多かったのですが、何とかここまでは力仕事もやり遂げることが出来ました。しかしながら今後作業効率がどんどん悪くなることは間違いなく春までの開通に少し不安が出てきました。

なんとか春までに尾根にたどり着きたいんだけどなあー!。


雪の降る中、黙々と土を削っていきます。

まだ当分のあいだ、寒さと雪と切り株との戦いが続きます。
2011年2月19日