22 資材倉庫の組立

山から間伐材を運んだ時と同じように、今度は加工済みの材料を2~3本づつ軽トラに積んで引っ越しです。


長くて重いのでこんな積み方になってしまいました。

道交法の規則以上に荷台からはみ出しちゃっています。 (--;)

ここ(基地入り口)で運搬車に載せ替えます。

作業現場があまり広くないので、奥から順に組み立てていかなければなりません。
最初に一番奥の柱を立てます。約50kg程の柱を両手で抱え、倒れないように慎重に基礎の上まで持ち上げてから単管パイプにロープで仮固定します。 次に梁を柱にあてがい、いよいよホゾのはめ込みです。ホゾと穴のシメ代は全くの勘で決めたので、ここでうまく行かなければ全ての嵌め合いを手直しすることになります。 緊張の一瞬が近づいてきました。


一人作業なので、左右の柱へ同時に差し込み作業が出来るよう、エンジンハンガーで吊るして水平を保持しています。

重いので基礎の上まで抱え上げるのが大変でした。 これからいよいよホゾの嵌めこみを行います。
2010年4月4日

一人作業ですのでカケヤを反対側から叩いてくれる相棒がいません。そこで考えたのがレバーブロックによる引き寄せです。 両方の柱にスリングベルトを巻き付け、それにレバーブロックを掛けて引き寄せます。この時、柱を直接コンクリートの上を滑らせては摩擦が大きすぎてうまく引き寄せ出来ませんので、表面にシリコンをスプレーした厚さ0.7mmの鉄板をあいだにはさみ、柱が移動する時の摩擦を軽減するようにしました。



左右の柱にスリングベルトをかけ、チェーンブロック(牽引力750kg)で引き寄せます。
レバーを引いてテンションを掛け、反対側をカケヤで叩いてホゾを喰い込ませます。

レバーブロックを締め上げていくと、弛んでいたチェーンがゆっくりと水平に引っ張られていき、それにつれてレバーの操作力もどんどん重くなっていきます。「もうこれ以上は無理か?」と思われた頃、ホゾが徐々に穴に入り始めたのがわかりました。 そこで一旦足場から降りてカケヤでホゾ穴の背後を一撃すると、ホゾが「クックッ」と5ミリ程喰い込み、その分ピーンと張り詰めていたチェーンに少したるみが出来ました。更に数回打撃を加えたあと、再び足場に登りレバーブロックを引き締めます。そしてまたカケヤで一撃...。

このサイクルを何度か繰り返して奥まできっちりとホゾを差し込むことが出来ました。勘で決定したシメ代は、ホゾが途中でつっかえる事なく、しっかりと最後まで差し込まれました。
組み付け成功です。ヤッター!\(^o^)/

最大の課題だったホゾの差し込みも予想以上にうまく行き、作業は順調に進んでいきます。
中央の柱を立てた後、あまり入り口付近が込み合わないうちに一番奥の棟上げをしておきます。この天井の梁はさすがに人力では持ち上がらないのでコマツ君に吊りあげてもらいました。この後さらに中央と入り口の柱を立て、それらを横梁で結んだところで再びコマツ君に登場を願い、中央と入り口の棟上げをしてなんとか大物の組み付け作業を完了しました。


エンジンハンガーで水平に吊り、左右のホゾに同時にはめ込んでいきます。

奥から順番に作業を行い、最終的に柱を6本。梁を5本。棟木を3本組み上げました。

2010年5月5日

この状態ではまだグラグラなので各所にスジカイを入れていきます。
スジカイは主要メンバーの寸法誤差や組立誤差を吸収するために丸太を加工して現場合わせで作る予定でしたが、現場では作業姿勢が悪いのと寸法基準をとるのが難しくて結構作るのが大変でした。結局4本作ったところで丸太のスジカイに見切りをつけ、市販の金属製スジカイ「火打ち」に設計変更となりました。

「火打ち」はさすがに大量生産されているだけあって、長さ1m程の品がたったの270円/1本でした(安い!!)。やはり変なこだわりは捨てて利用できるものはどんどん利用すべきですね(反省)。


(左)こだわって作った丸太の筋交い。 (右)市販の「火打ち」。

次は屋根工事に取り掛かります。
垂木にはホームセンターで12フィートのホワイトウッドを購入しましたが、長尺な上に生乾きだったので使う前からどんどん変形してきちゃいます。単純な曲がり程度なら使うときに矯正すれば良いのですが、中にはひねりが発生するものがあり、こうなると厄介です。 もったいないので変形したものも全てだましだまし使い切りましたが、やはり木材は乾燥具合が命ですね。少々価格が高くても十分に乾燥したものを買いましょう。...でも、どうしても安い方に手が出ちゃうんだよね(^_^)。


中央にトロリー用の長さ4メートルのH鋼(100x100)を設置しました。

ここにチェンブロックを吊り下げて、中二階への荷物の搬入や運搬車のメンテナンスに役立てる予定です。

屋根には施工のしやすさと耐久性を考えてアスファルト系の素材を使うことにしました。フランス製のOndulin(オンデュリン)と言うものをホームセンターで売っていたのでこれを購入。 この屋根材はかなり柔らかく、放置しておくと自重で変形してしまいます。そこで全面に野地板を敷き詰めて(幅18cm長さ6尺の杉板を45枚使用)変形を防止しています。この屋根材は50年以上の維持実績が有るそうで、私が死ぬまで葺き替えの心配は無さそうです。(^_^)

小屋の側面は採光をかんがえて耐久性の高いポリカーボネイトの波板を張ることにします。材料の無駄が出ないように慎重に必要数量を割り出し、6尺の波板を36枚購入しました。 張り終わった波板がきちんと平面になるよう一本一本慎重に垂木を柱に取り付けていきますが、柱が丸くて基準面がないうえ太さもマチマチなので、取り付けた垂木全体が一平面になるようにするのは思いのほか大変でした。根気良く垂木と柱を加工しながらなんとか波板を張り終えた頃には季節も変わりいつしか夏も終りに近づいていました。



やっと形が出来てきました。
あとは扉を付けて床にコンクリートを流して終りです。
中に入れた運搬車と対比すると大きさがよく分かります。
2010年8月29日


作業の様子を「いろいろ写真集ー"資材倉庫の組立"」に紹介しています。