19 間伐材集め(その二)

梅雨が来る前に済ませたいと思い、資材倉庫の建設作業を一時中断して新しい場所の間伐材集めをすることにしました

こんどの間伐材はかなり重量が有る上に、場所が急傾斜地なので作業は慎重に行なわなければなりません。そのまま滑り落とすことは危険です。ひとたび動き出せば丸太はそのまま暴走して何かに衝突するまで止まりません。そうなれば周りの立木を傷つけてしまいますし、それに丸太がどこへ落ちていくのか予測がつきません。 万が一下を人が通りがかってそこへ落下しようものなら大事になってしまいます。

そこで、登山で懸垂降下時に使う8環(エイトカン)を参考にして、丸太降ろし用の道具を自作しました。いろいろ写真集の「自作集材用道具類」に写真を紹介しています。

まず立っている杉の木にベルトスリングを巻きます。それにロープと金具で丸太を繋ぎ、登山の懸垂降下の要領で丸太を降ろしていくわけです。 斜面にはいろいろな障害物がありますのでそれをよけながら移動させるのは結構大変ですが、 いったん動き出すと重量があるので意外とスムーズに滑っていきます。

最初は荷物固定用の麻ロープを使っていましたが、8環との摩擦が大きくて何回か使用するうちにほつれてきてしまいました。
本格的なクライミング用のロープは高価なので、ネットで探してナイロン製の太さ10ミリ、16打ち編、破断強度900kgのものを購入しました。
2009年5月15日。

丸太の先端付近に位置取り、片手に持ったバールで丸太をこじりながら降ろしたい方向に先端を誘導します。そしてもう一方の手で8環に通したロープを操作してブレーキを掛けながらそろりそろりと降ろしていきます。

ロープを伸ばしながら丸太と一緒に斜面を下っていきますが、地面は伐採された杉や切り落とされた枝でほとんど埋め尽くされていますので、手元だけではなく足元にも注意を配らなければなりません。

足場がぐらついたり木の枝に引っ掛かって滑ったり転んだりの連続です。おかげで作業ズボンと長靴はすぐにボロボロズタズタになってしまいました。

この集材用小道具は結構使いやすく、一人でも容易に丸太を降ろしていくことができますが、最大の難所は斜面の一番下の林道との接点です。
山を削って林道を通したために道路際が「源平一の谷の逆落とし」の様な地形になっていて、ここを降ろす時は丸太が半分ほど大きく宙に突き出したあとシーソーのようにドスンと下に回転します。

ここでようやくロープを外す事になりますが、丸太はまだ斜面に寄り掛かったままです。でも動かすのにもう重力は利用できません。そこから平地へは運搬車に取り付けたウインチやクレーンを使って引きずり出します。 そのあと運搬車に搭載して集積場まで運ぶのですが、結構ハードな作業ですので一日にせいぜい4~5本しか処理できません。


丸太を2本積んで運んでいます。このサイズですと重量はおそらく1本当り120kg位だと思います。(試しに家で2.5メートルの丸太の重量を測ったら60kgありました。)2009年5月10日。

ほぼ1カ月かけて約30本の丸太を運びましたが、今回は尾根ではなく林道からの入り口付近に保管することにしました。尾根まで運び上げるには重く長すぎるためです。最も長いもので9メートル以上ありました。 いづれ尾根まで上げなければならないのですが、その作業は最終的に母屋の建設場所が決まり、シッカリと作業スペースを確保してから行うことにします。




林道から山林へ入る入り口付近(シラカシを植えた手前)に臨時の集積所を設けました。
しばらくはこの状態での保管です。
2009年6月6日。

この臨時保管場所は隣の杉山に日が遮られるので木材を乾燥させるにはあまり良い場所とは言えません。案の定、夏になって木食い虫に入りこまれてしまいました。 気が付くと丸太の表面におがくずの様なフンがいっぱい出ています。すぐにたっぷりと丸太全体に殺虫剤を噴霧し、可能な限り一つ一つ穴の中へも薬剤を注入しました。
早く乾燥させないと穴だらけの材木を使うことになりそうです。