14 物置小屋造り

斜面ばかりでほとんど平地は無いのですが、タタミ2枚ほどの棚状の場所があったのでそこを広げて小屋を建てることにしました。
まずは横に道を通してから建設用地のならしを行います。例によってここにも巨大切り株が鎮座しており全部で3個を撤去しました。




雑草と灌木を取り払い、切り株を掘り出してやっと小屋が立てられるだけの平らな地面が出来ました。

山の土はかなり柔らかいので基礎部分は砂利を入れて補強する必要がありますが、インターネットで砕石の価格を調べたところ輸送費を入れるとかなり高額になることが分りました。そこでなんとか自分で集めようと思いましたが、最近はなかなか砂利を採取できるところがありません。 昔の記憶を頼りに近くの河原へいってみましたが、そこは一面雑草が生い茂り以前の石の河原は消滅していました。数か所まわりましたがどこも同じような状態で、泥が堆積してどんどん河原が荒廃して行っているようです。それに河原の石を採取するのはやはり少し良心がとがめます。なにか別の手段を考えなくてはいけません。

いつものように砂利の手当てを思案しながら愛犬の散歩をしていると、偶然にも大量の石ころを発見しました。それは畑の横に積まれていました。家庭菜園をしている小さな畑ですが、そこから出た石ころが一か所に集めてあったのです。 さっそくお願いして頂くことにしました。砕石とは違って角の丸い石ですが贅沢はいっておられません。土嚢袋を購入してそれに石を詰め、少しづつ軽トラで山へ運びます。何回も運んで最終的にかなりの量を確保出来ましたので、これでなんとか間に合いそうです。

さっそく柱を立てる場所に石ころをいれエンジンランマーで転圧をします。ところがいくら叩いてもなかなか土が締まらずいつまでもフワフワとした感触が消えません。 そういえばコマツ君で作業している時もエンジンの振動が結構離れた場所まで伝わっていました。きっと山全体の土質が柔らかいせいなのでしょう。 「まあ高層ビルを建てるわけでもないから」と適当なところで妥協することにしました。

なにせこれまでは自宅の車庫の支柱ぐらいしか立てたことがないので、これが初めての本格的な土木作業です。その割にはきちんと強度計算もしないで適当に感だけで作業を進めちゃっているのですが(反省!)
作るものが物置なので少し心に油断があったのは否定できません。のちにこの油断が現実のものとなりました。

まず山側の柱から作業を始めました。捨てコンの上に鉄筋を配し、型枠を組んでコンクリートを流し込みます。流し込むコンクリートの固さも勘です。コンクリートミキサーで少し固めに練ったものをバイブレータで気泡を抜きながら型枠に充填していきますが、秋も深まっているので油断すると木の葉が型枠のなかに侵入してきます。 このまま木の葉を埋め込んでしまうとそこで強度が分断されてしまうのでうかうか出来ません。コンクリートを流し込んだら素早く気泡を抜き、わんこそばをストップする時のような素早さで枠に蓋をします。そんな作業を何回も繰り返すとやっと柱が一本完了します。

コンクリートの強度が出るまで一週間養生させたあと一本目の型枠を外しました。下の方に大きなコンクリートの欠損があります。コンクリートの練りが硬すぎたために気泡抜きがうまく出来なかったようです(ガックリ)。 全体の強度を確めるために叩いてみるとなんだかにぶい音がします。やはり地固めが不十分だったようです。これでは再度根元の補強をしなければなりません。参りました。かなりショックです。

補強の方法をいろいろと検討しながら気を取り直して谷側の支柱工事に取り掛かることにしました。こんどは地中の埋設部分をしっかりと確保し、根元の捨てコンも一体化して更に強度アップを図りました。 やはり出来上がりの感触は山側とは異なり、叩くと「カンカン」と高い音がします。



左が谷側で右が山側です
高床式の小屋にするために支柱を6本立てました。
小屋の下は運搬車の車庫になる予定です。

たった2坪程の物置小屋ですから強度不足で倒壊するようなことは無いと思いますが、本番の工事に向けてよい教訓になりました。母屋は徹底的に地固めをしてから基礎工事を行うことにします。

	  				つづく