13 間伐材集め(その一)

50メートルほど道が出来たところで寝泊まりの出来る物置小屋を作ることにしました。日帰りの作業では効率が悪いのと、資材が増え過ぎて置き場所が無くなってきたためです。 場所は第三コーナーを過ぎたところの左手斜面に決定です。この場所であれば冬場でも隣の杉林の影になることはありません。

場所は決まりましたが建築用の材木を調達しなければなりません。建てる小屋の大きさは入手できる材料次第です。
半年ほど前に両隣の山林で間伐が行われ、切り倒された杉の木がそのまま放置されています。なんとか連絡先を調べ出し、地主さんにお願いして間伐材を拾わせて頂く事になりました。

間伐材は林道より下の斜面にあるので引き上げ作業となります。有る程度物置小屋の材料に使えそうなサイズの間伐材となると人力で引き上げるのはほとんど不可能です。そこでエンジンウインチを運搬車に搭載して臨時の林内作業車を製作しました。
最初は写真のように単純にウインチを載せただけでしたが、その後フレームの補強とクレーンの搭載を行っています。



木材として使えそうなサイズのものは林道の終点付近に多くころがっていました。引き上げてみると物置小屋だけでなく結構母屋にも使えそうな大きさのものもあり、一旦林道の終点に集めておいてあとで整理することにします。

物置小屋に使用するものは林道を600メートル程下って建設中の私道入り口付近へ運びます。また、将来的に母屋に使用するものは杉林の中を反対方向へ300メートル程登り、尾根に保管することにしました。 尾根までは結構傾斜が急です。おまけに林の中を運ぶので、スキーの回転競技のように右に左に木立をかわしながら登坂しなければなりません。




ここが林道の終点です。

この場所で引き上げた一番長い丸太は約6メートルありました。

丸太が長いので運搬車の向きを変えただけでは立木をよけ切れません。そこで、丸太をベルトでガッチリ固定するのではなく、ロープで吊るすように縛って左右に首振りが出来るようにします。 片手で運搬車のレバーを操作しながらもう一方の手で丸太の先端を左右に振って立木を避けます。
丸太を振りながら斜面を登らなければならないので一度に一本しか運べません。また急な斜面ではエンジンが止まると丸太の重みで運搬車がズルズルと後退してしまいます。そんなわけで運搬の様子を撮影するような余裕は全くありませんでした(^_^)。



尾根の木材集積場です。
運搬車の写っている方角から杉木立をぬけて運びあげてきました。
ここまで集めるのに約1カ月です。

このあと更に別の山からも間伐材を運び、最終的にこの場所に運び込んだ間伐材は約40本になりました。
実は、あとの作業のほうがもっと大変でした。上の写真よりさらに長い丸太(約8メートル)を20本以上、林道の終点まで片道約800メートルを運び、それをまた1本づつスキーの大回転競技よろしくこの地点まで運び上げたのです。
この作業は夏の初めごろまで続き、おかげで単身赴任でふやけた体重が10kgも減りました。\(^o^)/

ちょうど集材作業を始めたころ、我が家に子犬がやってきました。生後2ヶ月のイタリアングレーハウンドとウィペットのミックスです。
いづれ犬を飼おうとは思っていましたが、やっと山仕事を本格的に始めたばかりなので飼うのはもっと先のつもりでした。でもある日娘が突然子犬を連れてきてしまったのです。おかげで私の作業スケジュールは大きく影響を受けることになりました。
私を除き家族全員が会社勤めをしているので必然的に私に子犬のお守役が回ってきます。これまでは曜日を問わず早朝から山へ出かけていられたのが朝晩犬の散歩をしなくてはならなくなり、その分山での作業時間が減ることになってしまいました。
というわけで、行き当たりばったりでなかなか進捗しない作業がますます遅れることになりそうです。