04 山林の価格って?

ネットでいろいろと物件を当たってみましたが、土地も住宅価格と似たようなところがあって、単純に坪いくらで売値が計算されているものがほとんどでした。本来土地の価格はその場所の利用価値や利便性、地上に有る資産の評価額、および周辺地価との比較などから定められるべきですが、高額な商品にもかかわらず適当に何万円/坪など「きりの良い数字」を使って売値が決められているケースが数多く見受けられます。

都市部や郊外など比較的不動産取引の多い場所では、公示価格や路線価など絶対ではないものの、ある程度の指標となる数値があります。また不動産取引も自由競争の原理が比較的働いているので、極端な価格差は発生し難くなっています。ところが山林の場合はほとんど指標となる数値が有りません。特に業者の単独開発や周辺に競合物件がないような場合は、独占的な価格設定がなされていたりします。

もっとも、里山は先祖から代々受け継がれたものが多く、お年寄りはなかなか手放したがりません。そこを何とか市場に出せるようにしたわけですから、業者もそれなりに利益を得て当然だと思いますが、道も無いような山奥や北向き急斜面の物件にもとんでもない価格が付けられていたりします。もちろん売買契約は需要と供給のバランスですから高く売り付けられたからと言って文句を言うのは筋違いですが、この儲け第一主義の無責任な価格設定が他の業者や個人売主の価格設定に都合よく利用されたり、あるいは買い手の先入観となって取引実態が無いまま里山の地価上昇を招く可能性がないとはいえません。


一番大きい物件が約700坪の広さで1,500万円です。
一番小さい物件でも60坪で240万円もします。

ずいぶんと高い気がしますが、きっと私が世間知らずなのか貧乏人なんでしょうね
(正解は後者です ^-^)

また、一部の不動産広告には「ログハウス建設適地」、「家庭菜園用」などなど、実態とはまるでかけ離れた魅力的な言葉を並び立てているものも有ります。これも最終的には現地を訪れた人々の期待を裏切るばかりでなく、やがて人々に「へえー、こんなもんなんだ」と言う誤った認識を植えつける事になりかねません。


大きいほうは約9千坪の広大な山林です。物件の中には清流が走り、所々に小さな淵も有ってマスでも飼えそうでした。でもここへ辿り着くには道なき道を1時間近く登ってこなくてはなりません。
売値は300万円でしたが交渉次第では2/3位まで下がりそうな雰囲気でした...でも道が無いのであまり値段の深追いをするのは止めてこの物件は見送りました。

不動産は決して定価販売商品ではないはずです。あまり無理押ししても交渉は成立しませんが、こちらなりにしっかりとした評価を行い、早く手に入れたいという危険な衝動をおさえて冷静に交渉することが大切でしょう。