ヤマハSRX600
メーカー | ヤマハ |
モデル名 | SRX600 |
型式 | 3SX |
全長/幅/高 | 2,090/720/1,045mm |
ホイールベース | 1,425mm |
車体重量 | 149kg(乾燥)170kg(装備) |
燃料容量 | 14.0リットル |
エンジン | 空冷4サイクル単気筒SOHC4バルブ | 総排気量 | 608cc |
最高出力 | 42ps/6,500rpm |
最高トルク | 4.9kg-m/5,500rpm |
原動機型式 | 1JK |
変速機型式 | 常時噛合式5段リターン |
タイヤ | (前)110/70R17 (後)140/70R17 |
▮車両プロフィール▮
SRX600は、SR500の後継機種として1985年4月に発売されました。
'80年代といえば、スポーツモデルの高性能化が強く求められていた時代で、レースでの技術をフィードバックしたモデルが次々と登場し、急速にバイクの性能が向上していきました。
そんな中で、ヤマハが投入したのは流行りのレプリカではなく、極限までシェイプアップされて一見トライアルバイクの様な細い車体に、低回転から太いトルクをだすSHOCエンジンを載せ、ビッグシングルらしさとバイクそのものが持つメカニズムや素材の美しさをを追求したSRXでした。
SRX600に搭載された608ccの空冷4スト単気筒OHCエンジンの排気量は、ロードレースのTT-F1規定の最小排気量に合わせたもので、味わいを求めながらも隠し切れないシングルレーサーとしての存在感は、このようなところからも読みとれます。
SRXは決して誰もが乗れるバイクではなく、ベテランライダー向けに作られたバイクと言えるでしょう。クセのある操作の難しいバイクを乗りこなしてこそが本来のバイク乗りの楽しさであると言うこだわりが感じられます。
エンジンスタートはセルではなくキックです。ビッグシングルをキックで始動させる為には相当な苦労が必要ですが、ここにもライダーへの挑戦が見えてきます。
コンパクトな車体で重量も149kgと軽く、非常に取り回しが楽でした。 エンジンは最高出力42ps/6,500rpmと単気筒エンジン車としてはパワフルで低速トルクも太く、軽い車体と合わせて低速バンク時でも粘り強い走りが出来るので、初心者でも気軽にフルバンクできました。 ただ、始動がキックのみなので、一度エンジンの機嫌を損ねると再始動するのが大変です。特にヒート時にエンジンを停めると再始動にかなりてこずることがありました。
スロットルレスポンスは極めて良く、スロットルを開けた瞬間にパッとトルクがついてきて、そのまま車体がグイと前に押し出される感じがします。この躍動するような感覚はすべての回転域で味わうことが出来、マシンをピッチングさせるほどの力強さがあります。 このタイヤが地面を蹴るダイレクトなスロットル感覚が楽しくて、ついつい用もないのにスロットルをあおってしまうほどです。
コーナリングも、太いトルクと軽い車体により、腰の動きだけで簡単に倒し込むことが出来きますが、あまり深くバンクしなくても十分な旋回力を得ることが出来ます。だだ、軽量でコンパクトなマシンだけにトラクションのかかったときとそうでない時の挙動の差が大きいので、リーンのきっかけを作ったあとは後輪のトラクションコントロールに気を付けながら、リヤタイヤのグリップ力で旋回するようにします。
ノーマルのままでも十分にビッグシングルのスパルタンな走りを堪能できるのですが、さらに過激さをもとめて、ヨシムラの680ccピストンとステージ2カムを組み込んでしまいました。(^-^)
1988年4月16日
山梨県南都留郡
富士河口湖町
河口湖畔にて