カワサキ650-W1
メーカー | カワサキ |
モデル名 | W1 |
型式 | W1 |
全長/幅/高 | 2,135/865/1,090mm |
ホイールベース | 1,420mm |
車体重量 | 199kg(乾燥)218kg(装備) |
燃料容量 | 15.0リットル |
エンジン | 空冷4サイクル並列2気筒OHV2バルブ | 総排気量 | 624cc |
最高出力 | 45ps/6,500rpm |
最高トルク | 5.2kg-m/5,500rpm |
原動機型式 | W1E |
変速機型式 | 常時噛合式4段リターン |
タイヤ | (前)3.25-18 4PR(後)3.50-18 4PR |
▮車両プロフィール▮
1966年7月発売。650-W1は対北米戦略車として開発されたカワサキ初の4ストローク・スポーツモデルです。カワサキの世界戦略車というと6年後に出るZ1のイメージが強いですが、第一号はこのW1なのです。
原型は目黒製作所(メグロ)が英国のBSA A7シューティングスターをモデルに製作していたK1(通称スタミナ)で、その改良型のK2(497cc)を624ccに拡大して650-W1として発表されました。当時としては最大排気量のオートバイであり、そのエンジンと独特の排気音がもたらす迫力により人気車種となりました。
最高速度は180km/h、0→400mは13.8秒というデーターは確かなモノで、前年(1965年)ホンダが発表したCB450と同等の性能を誇っていました。
フロントブレーキは200mm径の2リーディング式ドラム、 ミッション別体のクランクケースに英国車に習って右シフト、左ブレーキ仕様とし、
一体型のコンビネーションメーターにはレッドゾーンを7,200rpm辺りとしたタコメーターと200km/hを指数としたスピードメーターに、ニュートラルとヘッドライト確認のランプが備わっていました。フレームにはフリクション式ながらステアリングダンパーも追加され、出力アップに伴うクラッチ容量の増強や耐久性への強化は随所で行われており、新時代への対応はシッカリと図られていました。
市場へはティーラーからの注文で出荷すると言う注文販売が取られ、強くてデカいというカワサキのイメージはこの650-W1「ダブワン」から始まったと言えるでしょう。
大学を卒業してからしばらくバイクとは離れていましたが、大きいバイクが欲しくなり、当時としては一番排気量の大きかったこのカワサキ650-W1を手に入れました。
624ccバーチカルツインのエンジンの存在感はすばらしく、エンジンを始動するだけでワクワクしてきます。この頃はまだエンジンの振動を打ち消すバランサーなどは有りませんでしたので、312ccの単気筒を2つ並べただけの624ccバーチカルツインの振動はすさまじく、 センタースタンドを立ててアイドリングさせたらバイクが勝手に歩いていく程でした。ただ当時はそれが大型である証でもありました。
キックの踏み込みは意外と軽く、ケッチンなどの心配は有りませんでした。以前、メグロのZ7(500cc単気筒)に乗っていた頃はエンジンを始動させる度に何度か強烈なケッチンをくらい、恐怖心さえ覚えたほどでした。 マフラーから放たれる排気音はかなり強烈で、豪快な音量はどう考えても現在の騒音規制には合致しないと思われるレベルでした。 走り出せば全身にエンジンの振動やトルク感が伝わり、エンジンの鼓動を目一杯感じながら走ることが出来ました。これこそがまさに「王者の風格」で、この鼓動感とトルク感は今は望むべくもありません。
1972年に中古車を購入して乗り始めましたが、残念ながら当時の写真は一枚も残っていません。
(写真は借り物です。)